白地の紙の上を、鱗を重ねた体でゆっくりと歩みを進めるセンザンコウ。一枚一枚重なり合う鱗は、水墨の濃淡だけで質感と立体感を丁寧に描き分けられています。背には黒く沈んだ窪みがひらかれ、そこにキノコや珊瑚のような菌類、静かに芽吹く植物が息づいています。センザンコウは、根拠なく感染症の原因とされてしまった動物ですが、この作品では、鱗の奥で新たな生を育みながら、自らに向けられた災厄の後を静かに歩んでいく姿として描かれています。展示の最終室に置かれたコウモリのモビール(死を生へと変える分解の情景)とも呼応し、混沌の中にすでに次の生命が宿っているという、二人の作家の一貫した眼差しを映す一点です。
ギャルリー亜出果
アンボロワーズ&ヴィクトール 穿山甲(PANGOLIN)
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水墨・50×80cm、紙に水墨(encre de Chine)
