ミッシェル・マルグレイ
経歴
1938年 フランスのランデル(ノルマンディー地方)に生まれる。
幼少より絵画を描き始める。彼の絵画は<永遠の幸福>の表現である。彼の中では、全てが優しく微妙な光で包まれている。彼の絵画は伝統的なフランス絵画に属する。全ての印象派の画家達のように、彼は繊細なタッチ、色調の確かさと本物の色彩で、自然の光と影、自然が与える感動を表現する。マルグレイの絵画の中に入るのは、夏の日に森の小道を散歩するようなものだ。
造形の美しさ、流麗な色調、色彩のアクセントが彼の澄んだ絵画の秘密でもある。質感にいたるまで、具象的であり色彩に満ちた夢の世界にいる様である。
<ベニスの運河> 油彩80x80㎝
出展サロン実績
フランス人芸術家協会サロン 国立美術協会会員サロン
受賞
芸術科学文学賞受賞 パリ市展賞受賞
Univers des arts 2009年4月
マルグレイ 風景画の控え目な魅力
マルグレイの作品は絵画のみの物語ではない。それは、旅の話や、彼にとって大切な場所の行き返りの物語であったりもする。彼が熱愛する場所の存在が彼のアートの特徴でありその特異性でもある。街や原野、港などを訪れる事が彼には必要なのだ。彼は描く対象の場所に出向き、その風景と向き合い、色彩を、ニュアンスを光を、香りを感じる必要があるのだ。その姿勢が彼の本来の創造の源である。ベニスであったり、サン・ブリアックや、マントンまたは、オンフルールであっても、彼の活力と具象画のスタイルは変わらない。彼自身が感じる事を表現するという事は、自然の素晴らしさが彼に与える感動をキャンバスに伝えるという事だ。正確で敏感なタッチで柔らかく繊細に主題を浮かびあがらせる。そこには、その風景への愛が感じられる。お気に入りのテーマへの深い愛情は、彼と自然との親密な対話の証でもある。マルグレイは卓越して風景画家であり、雪の白い装い、静寂の優しさ、夕暮れ色調も全てを知り尽くしている。彼は、ラヴェンダーの畑を、原野を、その小道を歩き回り、雰囲気を掴もうとする。繊細で暖かい雰囲気、空と丘、浜辺と村などが発散させる野生のハーモニーをキャンバスに捕えようとする。マルグレイの絵画に登場する人物は、適格な比率で描かれ、風景に暖かさを与えているが、海と舟や木々と家屋がやはり主要なテーマである事に間違いはない。著者 フランスワーズ・セリニー
Univers des arts 2005 年夏号
ミッシェル・マルグレイ 澄明な光
ミッシェル・マルグレイの選択は夏の空のように、澄みきっている。その選択とは、自然を清澄さの中に描き出すことだ。しかし、輝く色彩のコクリコや無垢な雪の景色は、その移ろいやすさ故に、キャンバスに永遠にとどめたい画家の思いを感じる。私達の惑星の魅力が余りにも生き生きと描かれているので、なぜこの奇跡的な美しさに気が付かなかったのかと驚くぐらいだ。
マルグレイはその才能によって、私たちが目にしながら、実は気づいていないものを凝視させる。画家は私達に花の香りを呼吸できる事、ヨットの帆を揺らす心地よい風を感じる事、海面の煌めきを見つめる事がどんなに素晴らしいかを知らせてくれる。
マルグレイは豊かな日常風景に取り巻かれ、それを細部まで調和にうちに表現する。画家は繊細で正確なタッチで、写し出したい物を正確に描く出す術を心得ている。忍耐強さと愛情をもって、画家の明晰な視線は、村の小道を、停泊地のヨットを凝視すし、遠近を強調する為に遠くのヴァルール(valeur)を加減したり、色彩による全体の雰囲気の一体感を守るため空のニュアンスを強めたりする。ミッシェル・マルグレイの作品は彼の芸術的やさしさと私達を取り巻く世界の限りない豊かさの証明とも言える。
Michel-Margueray, ミッシェル・マルグレイ Univers des arts 2007 06
Conde-sur-Noireau(コンデ・シュール・ノワール) 市が市立美術館をオープンする。オープン記念にミッシェル・マルグレイの画業50周年記念展を開催する。マルグレイは1938年ノルマンディーのランデルに生まれる。幼少より絵画を描き始め、画家となる。1992年以降Conde-sur-Noireau(コンデ・シュール・ノワール)市が絵画と彫刻展を開催し、マルグレイはそのサロンの設立人の一人となり、毎年展示会に出展する。マルグレイはフランス国内のみでなく、アメリカでも人気のあり定期的展示会を開催しているが、ここ数年日本も紹介されるようになった。ミッシェル・マルグレイは確かに画家としての個性の強さと絵画的なカリスマ性のある、才能豊かな画家だ。彼の絵画から、そのモチーフに対する愛着とそれを、自分の詩的な色彩世界に置き換える情熱を感じる。自然を前にしたマルグレイは、尽きせぬインスピレーションの泉だ。画家自身の表現を借りよう<それぞれの風景は、自然の要素は絶えず、移り変わる。画家の印象も移り変わるわる。だから、同じ風景をえがいても、その時々で扱い方が変わってくるのだ。雰囲気を感じ、感動を捕らえ、絵画も再構成しないといけない。つまり、最初の印象から抜けだして、目に見える世界の向こう側に行く事も必要だ。マルグレイは季節と彼を取り巻く日常風景を歌う歌人となり、しずかな生活のレポーターともなった。ともあれ、Conde-sur-Noireau(コンデ・シュール・ノワール) 市立シャルル・レアンドル美術館オープン記念ミッシェル・マルグレイ画業50周年記念展は、彼の長年のファンを満足させると同時に、本物の芸術は人を幸福にする事を教えてくれるだろう。
Univers des arts 誌 2002年 夏号
ミッシェル・マルグレ <海の叙情>
ミッシェル・マルグレはフランス人画家協会と国立美術協会の会員でフランスの内外で活躍している。この画家のイメージを1ページで伝えようとしても、彼の少年時代のから始まる絵画的な冒険の全てを伝えることは出来ない。
マグリットは彼の作品についての評<詩情近い何かを感じる>が彼の絵画の本質をよく表現している。彼が画く風景は、彼にとって呼吸よりも日常的で、幼少よりなじんだ風景でいわば<眼をつむっていても画ける>のである。
いろいろな場所を散策し、海岸、小路、港を散策し、優しさと慎み深さを持って、感動を呼び起こす場所を見つける。<高潮><船室><漁からの帰り船>などは、日常の安らぎのある風景で、恰も過ぎてゆく幸福な時間を惜しむように画布に固定する。
パトリス・ド・ラ・ペリエール
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