コレクション: ヴィクトール・ヴァザレリ Victor Vasarely

1906年4月9日、ハンガリーのPécs に生まれる。はじめ医学を学ぶが、その後芸術への道を志し、1928年から1930年にかけてブダペストのMűhely にて学ぶ。同校は「ハンガリーのバウハウス」とも称され、ここで機能性と幾何学的構成を重視するモダンデザインの理念に触れたことが、その後の創作の礎となった。

1930年にパリへ移住し、広告デザイナーとして活動を開始。グラフィックデザインの分野で培った明快な構成感覚は、後の芸術表現に大きな影響を与えた。

1940年代には代表作《Zebra》を発表。視覚的錯覚を用いたこの作品は、後に「オプ・アート(Optical Art)」と呼ばれる芸術潮流の先駆けとして高く評価されている。以後、限られた色彩と幾何学的フォルムを組み合わせながら、視覚の揺らぎや空間の変容を生み出す独自の抽象世界を展開した。

1960年代から70年代にかけて国際的な評価を確立し、オプ・アートの第一人者として世界的な名声を獲得。芸術とデザイン、建築との融合にも積極的に取り組み、その思想は現代の視覚文化やデザインにも大きな影響を与えている。

また、妻クレールとともにFondation Vasarely を設立し、芸術の教育的・公共的役割の発展に尽力した。

1997年3月15日、Paris にて逝去。

ヴァザルリは「オプ・アートの父」と称され、20世紀美術において、視覚そのものを創作の主題へと昇華させた革新的な芸術家として高く評価されている。