コレクション: アレクサンダー・カルダー Alexender Calder
1898年、アメリカ・ペンシルベニア州に生まれ、1976年にNew York City にて逝去しました。20世紀を代表する彫刻家のひとりであり、動く彫刻「モビール」の創始者として、美術史に極めて重要な足跡を残した芸術家です。
彫刻家の父と画家の母という芸術一家に育ったカルダーは、当初エンジニアリングを学び、その構造的思考は後の創作活動に大きな影響を与えました。
1920年代初頭、Art Students League of New York で本格的に美術を学び、やがてサーカスを題材にした独創的なワイヤー作品《Cirque Calder》を制作します。針金や布、木片などを用いたこの小さなサーカスは、カルダー自身が演者となって操演する総合的なパフォーマンス作品であり、すでに彼の遊び心と空間への鋭い感覚が表れています。
1927年に渡仏すると、Paris を拠点に活動を開始し、Joan MiróJean Cocteau Man Ray Fernand Léger Le Corbusier Piet Mondrian らと交流しました。
特に1930年、モンドリアンのアトリエを訪れた経験は決定的でした。そこからカルダーは、色彩と空間を静止した構成としてではなく、「動きのある抽象」として展開する可能性に目覚めます。1931年には抽象芸術家グループAbstraction-Créationに参加。
この頃から、空気の流れによってゆるやかに動く彫刻作品を制作し始めます。
軽やかな線、鮮やかな色彩、そして空間そのものを描くかのような構成によって、彼は彫刻に新たな生命を吹き込みました。
一枚の金属板から鳥を生み出し、空間に浮かぶ色彩のリズムを創造したカルダーは、20世紀美術において極めて独創的な存在です。
その作品は今日もなお、見る者に自由、軽やかさ、そして純粋な詩情を感じさせ続けています。