ギャルリー亜出果
ルネ・マグリット Rene Magritte La Peine Perdue(徒労)
ルネ・マグリット Rene Magritte La Peine Perdue(徒労)
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リトグラフ 2010年
限定275部(17/275)
出版:ADAGP, Succession Magritte
刷師:Philippe Moreno, Atelier Art-Lithographies(パリ)
60.00 cm × 45.00 cm(シートサイズ)
47.00 cm × 38.00 cm(イメージサイズ)
版上サイン
真正性証明書付属
保存状態:極美
原作:1962年《La Peine Perdue》に基づく
Rives BFK紙
ADAGPおよびMAGRITTE Estateのドライスタンプ入り
右下隅にごくわずかなシミあり
作品解説
《La Peine Perdue》は、René Magritte が繰り返し探究した「隠すこと」と「示すこと」の逆説を、極めて洗練されたかたちで表現した作品です。
画面には舞台の幕を思わせるカーテンが描かれています。しかし通常、カーテンが担うはずの「何かを隠し、その背後を暗示する」という役割は、ここでは完全に失われています。
なぜなら、そのカーテン自体が空と雲によって構成されているからです。
見る者は、幕の向こうにあるはずの何かを期待します。しかしそこには秘密も、隠された舞台も存在しません。カーテンは開示と隠蔽の装置であるはずなのに、その意味そのものが静かに無効化されているのです。
この視覚的逆説によって、マグリットは私たちの認識の前提を問い直します。
私たちはイメージを見ると、その背後に意味や真実があると期待します。しかしマグリットは、その期待自体が幻想であることを示しています。
柔らかな青空と雲の色調は作品に静謐な詩情を与えながら、その穏やかさゆえに、かえって深い哲学的違和感を生み出します。
《La Peine Perdue》は、マグリットが生涯問い続けた
表象とは何か
見ることは何を意味するのか
イメージの奥に本当に何かが存在するのか
という根源的テーマを、簡潔かつ明晰に提示した重要作です。
タイトル解説
La Peine Perdue
直訳すると
「無駄な努力」
「徒労」
という意味です。
これは非常に示唆的なタイトルです。
作品において鑑賞者は、
「カーテンの向こうに何かがあるはずだ」
と無意識に期待します。
しかし、その期待は裏切られます。
どれだけ見つめても、その背後には何も隠されていない。
つまりタイトルは、
意味を探し求める私たちの行為そのものが徒労である
ことを暗示しているのです。
マグリットらしい、静かで知的な皮肉ですね。
