
2006年作品
ミッシェル・アンリの色彩には宝石の輝きがある。クリスチャン・デイオール社もそれを知っていた。1990年頃にクリスチャン・ディオール社は、クリエイティブディレクターをしていたジャン・フランコ・フェレに命じてミンクの毛皮に宝石の色彩施そうとした。フェレがその研究のパートナーに選んだのがミッシェル・アンリだ。二人は3ケ月間研究室にこもり、ルビーの赤、サワイヤの青、エメラルドの緑、トパーズの琥珀色でミンクの毛皮を染める実験をした。試作品のミンクのコートの制作には成功したが、制作コストが莫大で、クリスチャン。ディオール社は発売を断念した。試作品はアラブの金持ちが買ったらしい。この3本のバラの背景は、濃いトパーズの色彩だ。その背景の格子模様の隙間からブルーや透明な光が漏れてくる。トパーズは薄い琥珀色の物から、濃い茶色で光を反射した部分が琥珀色に光る石もある。トパーズ色の背景から漏れる光、その光を反射したり、茶色に染まった光を濾過して通すクリスタル花瓶の光の戯れの中で3輪のバラが楽しそうに微笑んでいるようだ。
假屋崎省吾公式サイト假屋崎省吾xミッシェル・アンリ美の世界)
日本橋アートWEB展示会:假屋崎省吾&ミッシェル・アンリ:美の世界展
ホテル椿山荘東京:ミッシェル・アンリと假屋崎省吾:美の世界展