ラウル・デュフィ Raoul Dufy

ラウル・デュフィは、フォーヴィスムを基盤としながら独自の軽やかで装飾的な画風を確立し、「幸福感のある絵画」を生み出した20世紀フランスを代表する画家の一人です。キュビスムやシュルレアリスムなどの前衛的な潮流に流されることなく、色彩と線の美しさ、装飾的なリズムを追求した点で、近代フランス美術の中でも独自の位置を占めています。

1877年、フランス北西部の港町ル・アーヴルに生まれ、地元の美術学校で学びました。その後パリに出て、印象派やポスト印象派の画家たちに影響を受けながら制作を始め、画家のAlbert Marquetらと交流しました。

1905年、サロンでHenri Matisseの代表作《Luxe, Calme et Volupté》に出会ったことをきっかけに、印象派的な表現から離れ、鮮やかな色彩による新しい絵画を模索するようになります。この頃、**Fauvism(フォーヴィスム/野獣派)**の画家の一人として活動しました。

1907年頃には、軽やかな線と明るい色彩による独自のスタイルを確立し、1909年には優雅で詩的な作品《ブローニュの森》を制作します。

1910年代には詩人Guillaume Apollinaireの作品の挿絵を手がけるなど、版画や書籍装丁の分野でも活躍しました。また1911年にはファッションデザイナーのPaul Poiretと協力し、テキスタイルや装飾芸術の分野にも活動を広げました。

その後、ヨットレース、競馬、音楽会、南フランスの風景などを題材に、軽快な線と透明感のある色彩による華やかな作品を数多く制作します。第二次世界大戦後には、明るい色彩の中に群衆や都市の活気を描く独自の画面構成へと発展しました。

1952年には第26回**Venice Biennale**で国際絵画大賞を受賞し、国際的な評価を確立しました。

1953年、フランスで死去。
彼の作品は現在、Musée d'Art Moderne de ParisMuseum of Modern Artなど、世界各地の主要美術館に収蔵されています。