ギャルリー亜出果
三枝浩子 歓喜
三枝浩子 歓喜
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サイズ : F15 (25.7 × 20.9 インチ/ 65.2 × 53.0 cm)
制作年 : 2026 年
素材 : アクリルガッシュ、 ワニス、 キャンバス
漆黒のキャンバスに、金色の飛沫が力強く弾け散る一作です。作家自身が語るように、この闇は「消すべきもの」ではなく、その奥から自らの光を放つための舞台として描かれています。
構図とマチエール
黒い地の上には、垂直に流れ落ちる細い線と、勢いよく跳ね上がるドリッピングの飛沫が交錯しています。中央やや下には金色の絵具が盛り上がる箇所があり、そこから放射状に無数の線と粒が飛び散っていく――まるで一つの核から生命のエネルギーが爆発的に解き放たれる瞬間を捉えたかのような構成です。アクション・ペインティングを思わせる即興的な筆致と、飛沫の一つひとつが持つ有機的な形(種子や芽、あるいは羽ばたく生き物のようにも見える形)が、静的な画面に強い運動感とリズムを与えています。
色彩の対比
背景の黒は、単なる暗闇ではなく奥行きと静けさをたたえた深い黒で、そこにヴァニス仕上げによる艶が加わることで、光を受けるたびに微妙な陰影の変化を見せます。対する金は、暖かく、生命力に満ちた輝きを持ち、黒との強いコントラストによって、抑圧された状態から解き放たれる歓びが視覚的に増幅されています。
主題性
タイトルの「歓喜」が示す通り、この作品は外から与えられる幸福ではなく、内側から湧き上がる生命の輝きをテーマにしています。孤独や見えない境界――社会的な抑圧やそれぞれが抱える閉塞感――を象徴する黒の中から、金の粒子が自由に飛び散っていく様は、抑えられていたエネルギーが解放される瞬間、あるいは自己の内なる光を見出した瞬間の視覚的な表現と読み取ることができます。
闇と光、静と動、抑制と解放――相反する要素を一枚の画面に凝縮させながら、見る者に「自らの内から輝きを放つ」という力強いメッセージを伝える作品です。
作家コメント
暗い社会の闇に、金色の粒子が弾ける。 それは、誰かに与えられるものではなく、自らの内側から生まれる歓喜。 抑圧や孤独、
見えない境界を越えた瞬間、 生命は輝き、 世界へ飛び散っていく。 歓喜とは、 闇を消すことではない。 闇の中から、 自分自
身の光を放つ。
