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ギャルリー亜出果

井口エリー  Cat in Boot 11

井口エリー  Cat in Boot 11

通常価格 ¥60,000 JPY
通常価格 セール価格 ¥60,000 JPY
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《Cat in Boots Ⅰ》

11×14×12cm 水性樹脂・合成皮革

三毛猫が白いハイヒールを履き、まるで人間のように腰を下ろしてこちらを見つめる《Cat in Boots》シリーズ。本作は、井口エリーが得意とする「動物の愛らしさ」と「ファッション」という異なる世界を融合させた作品であり、ユーモアに満ちながらも、人間らしさとは何かを静かに問いかける彫刻である。

三毛猫は古くから幸運や親しみやすさの象徴として愛されてきた存在である。その無邪気な猫が、女性らしさを象徴するハイヒールを自然に履きこなしている姿は、思わず微笑みを誘う。しかし、この違和感のある組み合わせは単なる可愛らしさに留まらない。人間だけが装うことを楽しみ、美しさを追い求めるという価値観を軽やかに相対化し、「美しさとは誰のものなのか」という問いをユーモラスに投げかけている。

白いハイヒールは、純粋さや新たな可能性を象徴する色彩であり、黒いヒールとのコントラストによって洗練された印象を与えている。一方、猫の柔らかな毛並みや丸みを帯びた身体は生命の温もりを感じさせ、人工的なファッションアイテムとの対比によって、自然と文化、 instinct(本能)と社会性という二つの世界が一つの作品の中で美しく共存している。

座った姿勢や少し首を傾げた表情には、見る者と対話しようとするような親密さがあり、猫はまるで人間社会を客観的に眺めるもう一人の主人公のようにも映る。井口エリーは、動物に人間的なしぐさを与えることで、人間が当たり前だと思っている価値観を軽やかに見つめ直す視点を提示している。

《Cat in Boots》は、ユーモアと愛らしさに満ちた作品であると同時に、「装うこと」「個性を表現すること」「自分らしく生きること」を優しく見つめ直す彫刻でもある。思わず笑みがこぼれる造形の奥には、井口エリーならではの詩情と、人間への温かなまなざしが息づいている。


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