ギャルリー亜出果
フランシス・ベーコン 自画像のための三習作
フランシス・ベーコン 自画像のための三習作
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技法
アルシュ紙に刷られた3点組カラー・リトグラフ(1枚刷り)
制作年
1990年
エディション
通常版60部に加えE.A.(Épreuve d'Artiste/アーティスト・プルーフ)です。
サイン
作家直筆鉛筆サイン入り
出版
Michel Archimbaud(ミシェル・アルシャンボー)
Librairie Séguier(リブレリー・セギエ)、パリ
額装サイズ
120.5 × 68.5 cm
レゾネ掲載
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Bruno Sabatier『Francis Bacon: The Graphic Work』No.26
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Alexandre Tacou『Francis Bacon: Estampes』No.28
コンディション
色彩は鮮やかで深みがあり、シミ・折れ・退色などの欠点はありません。
本作品はフランスの提携画廊が保管している一点です。現地(フランス)の基準では状態は良好とのことですが、フランスと日本では経年品に対する状態評価の基準が異なる場合がございます。ヴィンテージ品としての経年による使用感(シミ・変色・折れ・しわ・焼け等)を含めてご了承いただいた上、ご購入をご検討ください。なお、弊社にて現物の確認は行っておりません。**より詳細な状態写真のご用意も可能ですので、ご購入前に是非お問い合わせください。**作品は現在フランスに保管されており、ご注文後の納品まで2週間以上のお日にちをいただいております。作品の性質上、ご購入後の返品はお受けできません。
作品について
**《Three Studies for a Self-Portrait(自画像のための三習作)》**は、1990年に制作されたフランシス・ベーコン晩年の代表的な版画作品です。自画像というテーマは、ベーコン芸術を理解するうえで最も重要なモチーフの一つであり、本作はその探究の集大成ともいえる作品です。
ベーコンは若い頃から肖像画を数多く制作しましたが、1970年代以降は親しい友人や恋人を相次いで失ったこともあり、自らを見つめ直すように自画像へと向かいました。彼は「描くモデルが少なくなったから自分を描いた」と語っていますが、その言葉の奥には、人間の存在や時間の流れ、老い、孤独といった普遍的なテーマへの深い関心がありました。
本作では、三つの自画像が一枚の画面に配置されています。三連画はベーコンが生涯を通じて好んだ構成であり、一人の人物を異なる角度や異なる心理状態から描くことで、単なる肖像ではなく、人間存在の複雑さを表現しています。視線のわずかな違いや顔の歪み、色彩の変化が、時間の経過や内面の揺らぎを感じさせ、静かな画面の中に強い緊張感を生み出しています。
ベーコンの自画像には、一般的な肖像画のような写実性はありません。顔は大胆に変形され、輪郭は揺らぎ、肉体は流動するように描かれています。しかし、その歪みは現実を否定するためではなく、写真では表現できない精神性や生命のエネルギーを描き出すための独自の造形です。ベーコン自身が目指したのは「外見」ではなく、「存在そのもの」を描くことでした。
色彩もまた、本作の大きな魅力です。鮮やかなオレンジやピンク、深いブルーやブラックが絶妙なバランスで構成され、人物像を浮かび上がらせています。大胆な色面と余白の対比は、見る者の視線を自画像へ集中させ、人物の孤独や静かな緊張感をいっそう際立たせています。
本作品は通常版60部とは別に制作された**アーティスト・プルーフ(Épreuve d'Artiste)**であり、市場流通数が極めて少ない希少なエディションです。アーティスト・プルーフは本刷りに先立って制作される特別刷りであり、その希少性から世界中のコレクターや美術館で高く評価されています。
出版は、美術評論家・作家として知られるミシェル・アルシャンボーの企画により、パリのLibrairie Séguierから行われました。ベーコンに関する重要な出版活動の一環として制作された本作は、版画作品としての完成度だけでなく、美術史的にも重要な位置を占めています。
《Three Studies for a Self-Portrait》は、ベーコンが生涯追い続けた「自己とは何か」という問いを凝縮した作品です。芸術性、希少性、美術史的重要性を兼ね備えた本作は、フランシス・ベーコンの版画作品の中でも特に高く評価される代表作の一つであり、長期的なコレクションにふさわしい価値を備えています。
