ギャルリー亜出果
あおきさとこ 「想音 - flicker of hope -」 din - flicker of hope - H606×W500×D23mm
あおきさとこ 「想音 - flicker of hope -」 din - flicker of hope - H606×W500×D23mm
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2026
ミクストメディア
アクリル絵具、岩絵具、顔料、樹脂、キャンバス
本作は、画面全体を覆う無数の飛沫や飛び散る線――黒・水色・黄色・ピンク・オレンジといった多彩な色が幾重にも重なり合う、激しく躍動的な抽象表現を特徴とする「din series」の一作である。中央には、白い線描によって構成された放射状の図案が浮かび上がり、そこには小さな家や花、幾何学的な断片といった具象的なモチーフがひそやかに紛れ込んでいる。中心から四方八方へと広がるこの線描は、周囲の激しい飛沫の渦の中で、静かでありながら確かな軸として存在している。
タイトルにある「din(騒音)」という言葉が示す通り、本作は作家の頭の中に絶えず湧き上がる感情の音――日々の生活の中でとどめようもなく溢れてくる、時にネガティブにも感じられる内的な声――を主題としている。画面いっぱいに飛び散る絵具の激しさは、まさにその制御しきれない"騒音"そのものの視覚化である。
作家コメントにある通り、背景部分は筆を用いず、素手だけで直接描かれている。これは絵具を介した表現以上に、作家自身の身体と感情が直接キャンバスに刻み込まれるような、より本能的で生々しい制作行為であったことを示している。一見すると完全な抽象画のようでありながら、よく見ると家や花といった具象的なモチーフが静かに息づいており、"抽象と具象を行き来するような不思議な世界観"がここでも一貫して表れている。
副題の「flicker of hope(希望のまたたき)」は、混沌とした騒音の渦の中心にある白い線描の存在――暗闇の中でふと灯る、小さくも確かな光――を象徴している。作家ステートメントの核心である「騒音というネガティブなものも、アートにすると"想音"というポジティブな存在に変わる」という考えが、本作では特に色濃く表現されており、荒々しい感情の渦の中心にこそ、静かな希望の光が宿っているという逆説的なメッセージが込められている。
【作家コメント】
背景(線画以外の)部分は筆を使わず、素手だけで描いた作品。
一見、抽象画のようでも、よく見ると家や花など、作家の感情が揺れ動くものたちが描かれていて、「抽象と具象を行き来するような不思議な世界観」となっている。
絵を描かないでいると作家の頭の中で溢れてくる騒音(感情の音)たちが題材となっている。
「騒音」というネガティブなものも、アートにすると「想音」に変わり、ポジティブな存在へと変換される。
自分の嫌いな部分も好きに変えられるアートの純粋さや美しさを、作品を通して見る人にも伝えたい。
