ギャルリー亜出果
あおきさとこ unseen roots - もくもく恵比寿笑いの旅
あおきさとこ unseen roots - もくもく恵比寿笑いの旅
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2026
ミクストメディア
アクリル絵具、岩絵具、顔料、樹脂、キャンバス
M8 H273×W455×D20mm
本作は、グレイッシュな金・銀・水色が溶け合う静かな背景の中に、雲のように丸みを帯びた白い塊がいくつも折り重なって浮かぶ、幻想的な光景を描いた作品である。それぞれの白い塊の表面には、細やかな白い線描で葉脈や渦巻きの模様が施され、表面だけを見れば柔らかな雲や綿菓子のようでありながら、よく見るとその質感はどこか大地や岩の重なりのようでもあり、雲と大地が一体化したような不思議な存在として描かれている。
この雲(あるいは丘)の連なりの上には、小さなキノコの家や三角帽子をかぶった愛らしい生き物たちがちらばり、あちこちに金や緑、水色の葉や実のモチーフが顔をのぞかせている。画面下部には、いくつもの根のような白い線が雲の底から真っ直ぐ下へと伸び、その先端の一本にはカゴに入った小さな存在が結ばれている。
タイトルの「unseen roots(見えない根)」が示す通り、本作は目に見える雲のようなふくよかな塊の下に、静かに、しかし確かに広がる"根"の存在に焦点を当てている。副題の「もくもく恵比寿笑いの旅」にある"もくもく"は、まさに湧き立つ雲や煙のような、ふくよかで温かみのある質感を表しており、"恵比寿笑い"という言葉からは、見る人を自然と微笑ませるような、福々しく穏やかな空気感が込められていることが感じられる。
雲のような柔らかな塊の中に、小さな生き物たちの暮らしや、地中深くへ伸びる見えない根が同居する本作は、目に見えるものの奥に潜む、静かで豊かな繋がりやルーツへの想いを、優しい色彩と質感によって物語る一作となっている。
