
250部限定 イメージサイズ43x35cm 額サイズ73,5x64,5cm 2002年制作
2021年に制作されたブーケ2部作<美しいコクリコ>と<カリフォルニアのポピー>の6月毎に掛け変えプランです。
シルクスクリーンは20世紀初頭に発明された。孔版画の技法で、シルクなどもメッシュの網目から色を染み出させて紙や布にその色を移し取る技法です。色を染み出させない部分は塞ぎます。使用する色の数だけ版を重ねます。1950年代にアメリカのウオーホールなどが芸術分野で使用して、アート版画技法として広まりました。色を大量に染み出させれば、油彩絵具のような厚みも出せるので、マチエール(筆などで付けた絵具の質感)が美しいミッシェル・アンリには最適な版画技法です。
ミッシェル・アンリは花をメインに描く画家でビュッフェ、ブラジリエなどと共に20世紀フランス画壇を代表する画家です。絵画から幸福感感じられるので、フランスでは幸福の画家、ポピーを多く描くのでアメリカではポピーの王様と呼ばれています。透明感のある色彩は、宝石に例えられます。赤はルビーの色、ブルーはサワイアの色、緑はエメラルドの色、深みのあるブラウンはトパーズの色言われます。ミッシェル・アンリの絵画はパリ市近代美術館、スエーデン王室、モナコ公国、サウジアラビ王室等が収蔵しています。ギャルリー亜出果は1995年以来ミッシェル・アンリの日本総代理店として日本各地の有名百貨店、画廊でミッシェル・アンリ来日展を企画し、ミッシェル・アンリの作家自筆サイン入りオリジナル版画の制作、絵画版画の販売、著作権の管理をしています。
このオリジナルシルクスクリーン版画は、弊社(ギャルリー亜出果)が2002年に作家ミッシェル・アンリと共同制作したコンパクトサイズのブーケ2部作(美しいコクリコ><カリフォルニアのポピー>。ミッシェル・アンリが私の眼前でサインをいれました。サインを入れるスピードの速さに驚いた事を思い出します。
作品解説
<美しいコクリコ>:
赤いコクリコだけを描いている。このように、単一系の色彩でブーケの立体感も一枚一枚の花びらまで明確に表現し美しい絵画に仕上げるのは、至難の技であろう。それを成し遂げるミッシェル・アンリの力量に驚くばかりである。その秘密をすこし究明してみよう。ミッシェル・アンリは背景に左右上下から斜めのチェック模様を使う事がある。この絵の場合は赤系統の色で斜めにクロスする線を描いて、その上を白でなぞっている。背景に赤い印象を残す事でブーケの赤を調和しながら、全体に背景を白っぽく描く事で前景のブーケを浮かび上がらせている。花ビラは明るいオレンジ色で描いた後で、その上にくすんだ赤を薄く又は濃くなぞっている。花の輪郭にはもっと濃い茶色に近い赤を塗り、花弁一枚一枚を区切っている。同系色の赤をそのように使い分けて描いているが、誰がやっても成功する訳ではない、微妙なバランスによって、成功しているので、やはりミッシェル・アンリの才能といか言いようがない。
<カリフォルニアのポピー>:<美しいコクリコ>と対で描かれた作品だ。赤い色彩を調和させた<美しいコクリコ>に対して黄色い色彩だけで描かれたのがこの<カリフォルニアのポピーだ>背景も含めて黄色い系統の色彩で纏めている。色彩の繊細な違いと関係性をミッシェル・アンリは把握しているのだろう。花弁一枚一枚が生きているようだ。黄色い色彩は赤にはない生命力とパワーを感じさせる。カリフォルニアに行くと、黄色い品種のポピーをあちこちで見かける。<美しいココクリコ>がフランスバージョンとすれば、このカリフォルニアのポピーはアメリカバージョンと言える。コクリコはフランス語でポピーは英語だが同じ意味だ。ミッシェル・アンリは1970年代から90年代まで、パリの高級画廊街にも店舗のあったアメリカのフィンドレー画廊と契約していて、アメリカでの個展に20年間毎年アメリカに行っていた。アメリカでの彼の愛称は<king of popee>ポピーの王様だ。
ギャルリー亜出果 武田康弘
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